オートキャンプに行くのに、買い物や洗濯が便利になるからと、ほんの軽い気持ちで買った「折りたたみ自転車」。
ただしオートキャンプに持って行ったのは1回だけ、折りたたんでもラゲッジスペースで大きくスペースを取ってしまう。
ただでさえ荷物が多くて、パズルのようにああでもないこうでもないと、積んだり下ろしたりしながら荷造りするのに、この不定形な折りたたみ自転車は他の荷物を寄せ付けない邪魔者になってしまう。
重い車体はたたんでしまうと、狭い車内では動かすのも一苦労するありさま。
チェーンで荷物を汚さないようにとか、ペダルが邪魔になるから外すためにレンチが必要になったりと、一度折りたたみ自転車として使うと、そこまでして持っていかなければならないかと尋ねられれば自信を持って「NO!」と言える存在になってしまいました。
自転車としての機能は計り知れない程低く、小学生の子供が乗るナンチャッテMTBにおいていかれるしまつ。
いつのまにか車庫でホコリをかぶって、誰にも乗られることなく10年。
もはや、車庫の一部と化してしまったヤツが再び日の目を見たのは、ナンチャッテMTBに乗っていた長男も成長し、高校生になって電車通学を始める事になり、家から駅までと駅から学校までの自転車2台を使っての通学をするためもう一台自転車が必要になったからである。
そもそも自転車としての機能は児童用自転車を下回る実力を、身をもって感じてしまっているので、ヤツの現場復帰を誰も考えも希望もしなかったのですが。
始めのうちは、家から駅までは自転車で通学して、学校最寄りの駅から徒歩で学校に通っていた長男。
睡眠という高校生なら誰もが取り込まれてしまう魅惑の時間に勝てずに寝坊した長男は、ローカル線の運命である1時間に1本しかない電車(ディーゼル車)に乗り遅れてしまい、自転車で学校までダッシュして登校。
下校時には、学校最寄りの駅に自転車を置いて電車で帰ってきた。
翌日駅まで歩くのが面倒な長男は、ゴソゴソと車庫からヤツを引っ張り出してきて乗り始めてしまったのである。
仕方なくヤツの現役復帰となってしまったのです。
しかしライトとカゴもないヤツでは、安全に通学することもできないので、とりあえずLEDのダイナモ付きライトをつけてみた。
ただ乗るだけでは気が付かなかった事が、工具を持ってヤツに接すると色々と見えてくる。
そして何気なく取り寄せたモノタロウのカタログ「バイク・自転車用品編」・・・
物欲と、どうしようもない機能の低さに車庫の奥で忘れさられた折りたたみ自転車と重なる自分に、改良(改造)という禁断の領域に踏み込んでしまうのでありました。
ホームセンターで9,800円で売られている折りたたみ自転車を、安心安全そして少しだけカッコよく乗るためにはいくらかかるのかを、人柱になって検証します。