ゴリゴリのボトムブラケットをオーバーホールせよ

2016年7月27日

ボトムブラケットは、後日カートリッジ式に交換しました。

カップアンドコーン式からカートリッジ式ボトムブラケット(BB-UN55)への交換
前回の「ボトムブラケットを開けたらカメムシが出てきた~」で、取外したカップアンドコーン式のボトムブラケット。 https://oritatami.coiio.c…
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全く前に進まないことに苛々させられる折りたたみ自転車。
まるでカゴの中のハムスターのごとくペダリングしても、子供のナンチャッテATBに置いていかれてしまうのである。
この自転車を普通の自転車並みに走らせるため、長く遠い改良へのイバラの道程が始まったのです。

チェーンホイールを36Tから52Tへ交換したことにより、劇的な走行性能の変化を見せた折りたたみ自転車。
ブレーキ交換ヘッド周り(フレーム)からのガタも解決、ヤワヤワの樹脂製ブレーキレバーも退治しこれで、明るい自転車ライフがやってくるかと思われたが、チェーンホイール交換時に目をつぶって見ないふりをして、わざと見過ごしていた問題があった。

「ゴリゴリのボトムブラケット」
P1040106気付いてんたんですよ。
でも、知らん顔してやり過ごしたんです。
そう、優先座席で大きな顔して騒いでいる学生に、
「そこは優先座席だよ、そちらのお年寄りに席を譲りたまえ。エッヘン」
て、至極まっとうなことを言えずに。
文庫本に熱中してますよオーラを発散して、なんにも流れていないヘッドホンを耳に詰め込んで
「僕は、なんにも聞こえませんし、見えていませーん。」
と知らん顔している時のように、気づいててなんにもしなかったのですよ。
だって、チェーンホイール交換した時には、これほどまで自転車らしくなるなんて、思ってもみなかったんですもん。

てことで、「ゴリゴリのボトムブラケット」をオーバーホールしちゃいます。
クランクとチェーンホイールの脱着は、チェーンホイール交換(36Tから52Tへ) その2(チェーンホイール交換編)を参考にしてください。

ボトムブラケットのロックナットを引っ掛けレンチを使って外します。
ネジ溝に溜まった汚れはあらかじめ、パーツクリーナーで落としてCRC556を一吹きしておくと外れやすいです。
P1040107左ワンをはずすのですが、ここからはモンキーレンチとゴムハンマーで緩めました。
本来なら左ワンはロックナットを外してしまうと、割合あっさりと回ってくれるものなのですが、このワンはなにか引っかかっているようで、素直に外れてくれません。
手で回るようになったかと思うと引っかかりの繰り返しです。
なんとか、左ワンを外しました。
ゴリゴリの原因とご対面です。
P1040109右ワンは完全に固着していて外すことができませんでした。
右ワンが外れたら、カートリッジ式ボトムブラケットに交換することも考えたのですが、外れなければ仕方ありません。
専用の工具を用意しようかとも思ったのですが、とりあえずオーバーホールができそうなので、今回は右ワンはそのままでいっちゃいます。

古いグリスと共にゴミも、パーツクリーナーを使って落としていきます。
リテーナーはジプロックに入れて、パーツクリーナー漬けにします。
P1040111シャカシャカ、シェイク・シェイクします。
P1040114ボトムブラケットの中もパーツクリーナーできれいに洗い流します。
見つけてしまいました、左ワンが引っかかる原因を・・・。
ボトムブラケットの下に溶接された、スタンドが原因でした。
これって、ボトムブラケットに穴が開いていて、そこにこのスタンドを差し込んで溶接しているんですが、その溶接後の始末が悪くて、バリとなってネジ山に残っているんです。
なんでこんなことになるのか、全く理解できないのですが、まさかねじ切った後に穴をあけて、スタンドが中に飛び出ないようにして溶接してるのでしょうか。
そうとしか考えられませんね、穴をあけたバリが内側に出てるのでしょうね。
普通なら穴をあけてスタンドを溶接してネジを切るのが、手順としては正しいんだと思うんですけど。
他にもなぜかボトムブラケットの底に、このスタンドを取り付けるための穴以外にもう一個穴が開いていて、そこは何もつかわれていないようで泥はねやゴミなどがブラケットに入り放題です。
まあ一昔前のロードなどはブラケットの底を、軽量化として穴をあけて肉抜きしていましたから、デローザなんかはハート型に抜いていて、なんかカッコええなぁ~と当時は羨望の的でしたが・・・。
ヤスリでバリを取り除いて、固着防止にグリスを薄く塗っておきました。

右ワン側はクランク軸の穴からグリスを入れて、左ワン側からドライバーを突っ込んでグリスをなじませます。
クランク軸は左右長さが違うので注意が必要です。クランク軸の受けの内側に線がある方が右(チェーンホイール側)です。

クランク軸の右ワン側にグリスをのせて、リテーナーの向きに注意してセットします。
リテーナーにもグリスをのせて、落ちにくいようにセットしてから左ワン側から入れます。
クランク軸が右ワンからでたら、左ワンにグリスをのせてリテーナーの向きに注意してセットします。

クランク軸にがたつきがなく、スムーズに動くところまで左ワンを締め込みます。
ゴリゴリするようだと締めすぎです。
ある程度締まったら、左クランクを付けクランクネジを軽く締めて、指先でクランクを回してグリスとリテーナーをなじませます。
(この時必ずクランクネジを締めてください、クランクネジを締めないでクランクを回すと、すごい勢いでクランクが飛んできますよ。)
左ワンをもう一度締め直します。
指先でクランクを回してグリスとリテーナーをなじませるのと、左ワンの締め直しを何度か繰り返して、ボトムブラケットが馴染んできたら、ロックナットを取り付けます。
ロックナットを取り付ける時には、ロックナットと一緒に左ワンが供回りしないように、左ワンをおさえておきます。

ついでにペダルも外しているので、ついでにオーバーホールしてしまいます。
P1040117ペダルのベアリングもゴリゴリです。
ペダル内にはロックナットがあるのでここまで固く締めなくても、ガタがないない程度に締めて、ロックナットをキッチリ締めれば、はずれたりはしないのですが、大抵のペダルはガチガチに締めてあります。
手前のナットを外してワッシャーを抜きます、奥にもうひとつナットあるのでラジオペンチ等の先の細いもので回すとベアリングが見えてきます。
ここのベアリングは外側とクランク側の両方に入っています、リテーナのないベアリングなので、緩めるときに注意しないと落ちてきます。
外側・クランク側共10個のベアリングが入っていました、防水も兼ねてグリスをたっぷり入れて、外した順番でナットを締めます。
最初のナットはベアリングの押さえなので、ガタがなくスムーズに回るところまで締めます。
ワッシャー、ロックナットをしめてペダルのグリスアップは完了です。

P1040083試乗してみます。
これは、リザードンvsフシギダネの「かえんほうしゃ」ぐらい「こうかはばつぐんだ」ですね。
自転車が軽くなったよ。


今回の出費
部品
0円
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計 0円

工具
0円
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計 0円

今回の合計 0円
トータルの出費 16,374円 (部品 12,714円/工具 3,660円)

「こうかはばつぐんだ」